川風に佇む、雄物川舟運の記憶
河港に集まる物資を出し入れしていた蔵です。河港の荷揚げ、荷下ろしをする場所は「浜」と呼ばれており、その浜に建てられた倉庫なので「浜倉」と呼ばれました。港から運び出す物を集荷する場所に使ったり、港に入って来た物を出荷する場所に使ったりした倉庫です。角間川の浜倉は、河港として最盛期を迎えた頃には周辺に20棟ほど建っていた伝えられています。 現存する2棟は平成9年(1997年)に改修されました。A棟は明治5年(1872年)の建築で築150年以上経っています。B棟の建築年は不明ですが、こちらも古いものです。本郷家と荒川家が使用していたそうです。同じように雄物川舟運の史跡として知られた土崎湊御蔵が2007年頃までに解体された今、角間川に残る浜倉は雄物川舟運の歴史を現在に伝える大変貴重な存在です。2025年現在、文化財等には指定されてはいません。
江戸時代の主な移出入品
久保田藩からの移出は、米、大豆・小豆、麦、山菜などの農産品が中心でした。また、藩外からの移入は、木綿、繰り綿(未精製の綿)、綿の古着、塩、砂糖、ニシン、茶、半切り紙、ロウソクなど生活用品でした。
参考文献
- 大曲市『大曲市史 第二巻 通史編』大曲市、1999年。
- 大曲市昔を語る会連絡協議会『大曲市の歴史散歩』大曲市・大曲市昔を語る会連絡協議会、1977年、pp.100-119。
- 大曲市『大曲市史 第二巻 通史編』大曲市、1999年。
- 大曲市昔を語る会連絡協議会『大曲市の歴史散歩』大曲市・大曲市昔を語る会連絡協議会、1977年、pp.100-119。
- 大曲市立角間川小学校『角間川の物語』大曲市立角間川小学校、2019年、pp.1-25。
- 佐藤清一郎『シリーズ秋田の民衆史3 雄物川往来誌(上)』秋田文化出版社、1978年。
- 佐藤清一郎『シリーズ秋田の民衆史4 雄物川往来誌(下)』秋田文化出版社、1979年。







